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劇場版・ONE PIECE(2000)

one piece2000

概要

2000年3月4日「東映アニメフェア」で公開された『ONE PIECE』最初の劇場版作品。
同時上映は『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』

ウソップとゴーイングメリー号はTVシリーズ先行登場。EDのみバラティエとサンジが一瞬登場。
本作のみ正式なOPが存在する(映像はTVシリーズで使用されていたものを使用し、EDは原作の扉絵が原案)。
上映時間は最も短く、ストーリーも非常にシンプルで後発作と比べて単純明快で爽やかな冒険活劇感が強い。

ストーリー

東の海(イーストブルー)に「黄金の大海賊」と呼ばれる男がいた。その名を「ウーナン」。
ウーナンはあくどい者から黄金を奪い、遂には全世界の黄金の1/3を手にしたと言われ、その輝きは夜の海を昼間さながらのように照らしたという逸話がある。
しかし、数年前を境にウーナンの消息は突然途絶え、彼の隠した膨大な量の黄金は伝説となった。

ーーー現代、麦わらの一味一同は餓死寸前に瀕していた。
ルフィが船に積み込まれた1ヶ月分の食料を3日、もとい2日で食い尽くしてしまったのだ。
そんな状況のメリー号に乗り込んで来たチンピラ3人組と小競り合いしていた所、ウーナンの残した黄金を求める海賊エルドラゴの船が通りがかり、突然メリー号に向けて放って来た超音波攻撃で麦わらの一味は各地へ離散してしまう。
三者三様、別個に同じウーナンの黄金が隠れているとされる島に辿り着いた麦わらの一味とエルドラゴの一味。ここに黄金を巡る争奪戦が幕を開けた。

キャラクター

モンキー・D・ルフィ

餓死寸前で倒れていたところ、メリー号に乗り込んで来たチンピラ3人組に抵抗するどころかおにぎりで無力化されるが、 おかわりを要求したらいきなり銃撃して来たため3人組に反撃した所でエルドラゴの攻撃に巻き込まれてしまう。
ゾロ・トビオと共にどうにか小舟の残骸にしがみついた後、おでん屋台の匂いに誘われ図らずもトビオを家に返す事になる。

ウーナン生存を信じるトビオに「一人でも信じる者が居るなら可能性はある」という成り行きで協力するなど相変わらず挑戦心と冒険心は旺盛。

ロロノア・ゾロ

ルフィと共におでん屋台でたらふく食べた後無一文だった事に気付いた事から岩蔵に「食い逃げ」と見なされ、ルフィと背中合わせで捕縛される。
その後は出奔したトビオを縛られたまま追いかけるルフィに否応なく同行させられ…。

ウソップ

お調子者で海に釣り糸を垂らしながら「大物がヒットしたと思いきや実は違う」というつまらないギャグを何度も繰り返していた。
島に漂着した際は運悪くエルドラゴの一味に発見されてしまい、以降しばらく彼らと行動を共にする事を余儀なくされる。
ちなみに『エルドラゴの部下に取り囲まれた際に勢い良く樽から飛び出し叫ぶ』というシーンは、原作第2話(TVアニメ第1話)におけるルフィのセルフパロディ。

ナミ

ルフィとは正式な仲間ではなく「手を組んでいる」という関係であるため、まだ一味のメンバーとは一歩引いた距離感である。
その後、エルドラゴの船に忍び込み島に到着したエルドラゴ一味と間接的に結託しながら情報収集していた。

エルドラゴ

本作のボス。
超人系悪魔の実「ゴエゴエの実」の能力者で、口から桁外れの大声レーザーを放射する。
黄金に異常なまでのこだわりを持ち、ウーナンが残した黄金を狙って「黄金の島」に上陸する。
ルフィと対決するが怒涛の攻めにより黄金の鎧を砕かれた上「ゴムゴムの風船」で大声を跳ね返され、怯んだところを「ゴムゴムのバズーカ」で島のかなたへ吹き飛ばされた(船に残っていた宝物は、ナミが全ていただいた)。

ゴラス

エルドラゴに雇われた用心棒の剣士。
仕事の度にエルドラゴから金貨を受け取っているが、本心では金貨欲しさに剣を振るう自分を恥じている様子。
ゾロと互角に渡り合うも、その心の隙を彼に見抜かれ敗北。

ダニー、ドニー、デニー(ハイエナ三人衆)

エルドラゴの部下。ゴーイングメリー号のお宝を奪おうとしたが、ルフィに返り討ちにされる。
次回作『ねじまき島の冒険』では、「トランプ海賊団」の一員として登場。

トビオ

ウーナンに強く憧れる少年。
岩蔵のおでん屋を継ぐのが嫌で大海原に飛び出すも、エルドラゴに捕まり雑用として扱われていた。
ルフィらとの交流やウーナンと岩蔵の関係を知った事を経て、岩蔵への必要以上の反発心を改める。
結局海賊とおでん屋2代目のどちらを目指すかは決めなかったが、そのうち自分の真の理想を見定めて行くと決意した。

岩蔵

海上おでん屋台の主人であるトビオの祖父。
いつも厳めしい表情で不愛想だが、海賊だろうと客にはおでんを食べさせる(おでんの味は超一品で、ルフィ曰く「おっさんのおでんは世界一」)。
非常に良心的な価格だが、払おうとしない相手には全く容赦ない。

実はウーナンとは同郷で、おでんの作り方もウーナンの父から学んだもの。
ウーナンから共に海賊になるよう誘われるも世界一のおでん屋になる夢を叶えるため、誘いを断り喧嘩になる。
その最中、崖から転落するもたまたま近くを通っていた船に助けられ一命を取り留めるものの、それ以来両者は二度と会うことはなかったという。
黄金の島の噂を耳にし、今一度彼と会うために入魂のおでんを持って島に向かうが、ウーナンとの再会は叶わなかった。
ところが、彼の思いのたけが綴られたメッセージを目にして彼の真意を知ると共に、トビオの扱いも改める事となった。
エルドラゴを撃退したルフィ達への感謝からおでんの代金をあえて受け取らす、ツケにした。

ウーナン

「黄金の大海賊」と呼ばれた伝説の大海賊。
一生でわずかな黄金しか手に入れられなかった金鉱掘りの父親を恥じ、島を飛び出し海賊になった。 黄金を隠す場所として島の一番高い場所を選ぶ癖がある。
見渡す限りの黄金を手に入れたが、自分が本当に手に入れたかったのは黄金ではなく「黄金を追い求める冒険そのもの」であったと気づき黄金を全て元の持ち主に返却。
その後、黄金の島とされていた孤島に来訪者へのメッセージと、岩蔵と共に作った海賊旗を残し息絶えた。
この失踪が「数年前を境に消息が途絶え、ある島に黄金の全てを隠した」という噂として広まった。