お盆の精霊馬

皆さんは、毎回お盆の時期になるとキュウリやナスに足が生えた不思議な置物「精霊馬(しょうりょううま)」なる物を見かけたことはありませんか。

これは、お盆のお飾りの1つであり、割り箸などの足が付いているのはキュウリを馬、ナスを牛に見立てているためです。

では、なぜお盆に「精霊馬」を飾るのか?

元来「精霊馬」とはご先祖様がお浄土と現世にあるご自宅を行き来する時に使う乗り物で、「迎えの馬」のキュウリは「ご先祖様が足の速い馬に乗って、はやく戻ってこれるように」、「送りの牛」のナスは「ご先祖様が足の遅い牛に乗って、お土産と一緒にゆっくり帰れるように」という願いが込められています。

また、農家が多かった江戸時代ではキュウリとナスはどちらも全国的に収穫されるため手に入りやすく親しみ深い野菜であり、「お盆の時期が旬で収穫量が多い=精霊馬(牛馬飾り)として使われるようになった」という由来があったといいます(諸説あり)。

「鰯の頭も信心から」と一見ただの野菜の置物とはいえ、お盆ではこのようにありがたい飾りとして重宝されているのは、日本人の驚くべき特徴といえましょう。

就労継続支援A型事業所(株)Grow-up 利用者C.Y